2015年3月31日火曜日

yamaan:2015年3月

昨年遅くに植えたニンニクの芽が出ました

ツツジのつぼみが膨らみ始めてます

春の七草:ハコベ

こぼれ種で冬の間も耐え忍んで育ったアブラナ科野菜

耐寒性に優れるアブラナ科野菜は北国の春先には嬉しい

2015年3月25日水曜日

おどるルーツ

どんなものにもルーツやキッカケがあるものでして先日の記事でチラッと書きましたが、私のオドリにもございます。

タイムリーについ先週、そこに無礼にもアポ無しでお邪魔してまいりました。

その日はとある舞台の打ち合わせが青森市であったのですが、1時間ほどで終わり何だかこのまま帰宅するのも勿体ないと思い立って、名刺を頼りに電話をしてみた次第でした。

平日の夕方、「公務する舞踏家」と言われるその方はお仕事からまだ戻っておらず、在宅の奥さまに迎えられ、紅茶を片手に取り留めも無い話をしていました。

15年振りにもなる久しぶりの時間を思い出話などしつつ過ごしていましたら、玄関からガラガラとこの日の公務を終えた福士正一さんが帰宅してきまして、あれよあれよと話し込むうちに呑んで泊めさせて頂くことに。

私、こういった流れは大好きでありまして、ラッキーとばかりにすんなり帰宅を観念してワインで乾杯。
福士さんご夫妻と私、三人の淀むこと無い酒宴が始まったのです。

こうしてご一緒させて頂くのは実に学生時代ぶり。
当時私が通った青森市の大学職員だった福士さんに誘われ、稽古場にお邪魔したのが発端でございました。
そこで焼き鳥など御馳走になりつつ、学生ながら酒を嗜んでおりましたら突如、稽古場の一角がライトで照らされ、CDデッキから音楽が鳴りはじめました。
ついさっきまで一緒に呑んでいた大学職員のオジサンが白塗りをして踊るその姿に、えも言われぬショックを受けた私は何故かそこで号泣したのを覚えております。

それから2年ほどが経ち、私は勝手に人生に悩み、独りで春の富士山に登ることになります。
山岳知識もろくに無いまま、雪の富士に取り憑いた私は案の定、そこで死ぬような目に遭い、八合目の診療所の土間で夜の寒さに震えながらワンワン泣いておりました。
極限状態で脳裏をよぎったのがあのとき稽古場で見た踊り。

「あんなふうに 自由におどれたら どんなにいいだろうか」
「生きてここから帰ったら おどって 生きていこう」

そう思ったチッポケな自分がそこにおりまして、それをすくい取るように朝を迎えたのでした。

実際はそこから紆余曲折ありましたが、勝手ながらオドリというものを自分なりに現して今に至るわけでございます。

年度最後の三月。
聞けば「公務する舞踏家」も今月で終了。
あと1日勤務すれば定年を迎え、「野の舞踏家」になるとおっしゃっていました。

そんな折に、私が向かったのもなんだか数奇なことであります。

この日の夜は酔いに任せて、お互いの踊りを交互に確認しつつ、最後はデュエット。
どこにも気を置かない、幸せなオドリがそこにあったように記憶しています。

15年かけ、この世を周回して戻ってまいりました。

春の芽吹きは再生の季節。
ここでまた生まれ変わったような気分です。

年末ほど取り沙汰されませんが、この年度末。
自身のルーツを確認するのもよいのではないでしょうか。


2015年3月21日土曜日

工房polepoleの夕べ

先週末、鰺ケ沢町の陶芸家ご夫婦宅にお邪魔してきました。
いつもながら突然の来訪にも関わらず、快く迎え入れてくれてすっかりヘベレケになって長居してしまいました。


- - -


見た目はダンディ、しかし性格は驚くほど軽いチョビヒゲ親父は、私がウィスキーを呑みたいと言うと、奥の方からホコリをイイ感じに被ったボトルを持って来てくれた。

コルク栓を蝋で固め、筆記体だらけのラベルが貼られたそのウィスキーは、ウマいんだかマズいんだか分からない味わいだったのだが、すこぶる酔ってしまった。

この日はお家をセルフリフォームしており、いつものリビングではなく、キッチンテーブルを小さく3人で囲んだ。

チョビヒゲが愛して止まない飛騨出身の奥さんが目の前で天ぷらを揚げてくれ、ここは日本酒だということで、飛騨の美酒を頂く。
これまた酔ってしまった。

どれだけ時間が経ったのだろうか。
酔っぱらった私のグダメキが一通り終わると、奥さまがおやすみと2階へ上がっていった。

この日は奥様の誕生日の前日。

よし、とチョビヒゲが立ち上がり、卵と粉をかき混ぜながら、オーブンの余熱をはじめた。バースデーケーキを作るのだと言う。実に手際が良い。彼はこれを奥さんのためにずっと続けているそうだ。
オーブンに入れては取り出し、焼き加減を何度も何度もチェックするその後ろ姿を見ていたら涙が溢れてきた。

これくらいでいいかな、と振り返ったチョビヒゲはとても満足そうな表情を浮かべ、キッチンはケーキの美味しそうな匂いで満たされていた。

屋根裏ゲストルームの毛布にくるまる。
天窓から見たお月さんがとても優しかった。

翌朝は奥さまが手作りパンを切ってくれた。
市販のパンに比べると少し固め。こういうパンは噛めば噛むほど味の深みが増す。
アゴを上下にうんうんと動かしていたらまた涙が溢れてきた。
昨夜の涙とはまた少し違う。

心の底から「結婚してぇなぁ」と思った。

- - -

工房polepole





2015年3月17日火曜日

あおもりコラム:青森県恥事室「南部裂織」

今月上旬、十和田市にある南部裂織(さきおり)匠工房にお邪魔して来ました。
今年に企画している舞台に是非この文化を取り入れてみたいと思ったのが発端でありました。
私のガールフレンド(81歳女性)がこちらの団体に所属していることもあり、実にスムーズで楽しい会合となりました。

その昔、どこの家庭にもあった機織(はたおり)。
それがここには70台近く揃っています。
これだけでも一見の価値なのですが、それにより織られた裂織の色彩が何とも美しいのです。
昔の家屋は陽が射さず暗かったこともあり、闇に映える紅の糸は格別だと年を十分に重ねた会員さんが口を揃え言っていました。

ヨコ糸に使われる緯(ぬき)という部分に裂かれた紐。
このランダムな感じが見ていて飽きない色彩を生み出しています。

今でこそ、リサイクルすることの大切さが世に浸透していますが、当時の人々はそれを恥ずかしいことであると認識し、ひっそりと織って着用していたのだそうです。


見学無料。
体験実習(¥1,600)もできます。

「南部裂織匠工房」
十和田市大字伝法寺字平窪37-21 道の駅とわだぴあ内)
Tel&Fax 0176-20-8700
http://www.sakiori.jp/kobo.html