先日、雨の中ではございましたが、奥入瀬渓流へ行ってまいりました。
今週末に
山岳部で開催する「奥入瀬ウォーク」に向けた下見です。
贅沢にもネイチャーガイドのお二人にご同行いただきました。
(ヤスさん:左、エミナさん:右)
この日は焼山から十和田湖の子の口まで、およそ14kmを歩きます。
奥入瀬の魅力は、一般的には渓流や滝だと思われているようですが、いやいや…苔なんです。
さっそく姿を現したのは、雨水を湛えたタマゴケ。
まさに胞子を「目玉親父」のように伸ばします。
下流ではキクザキイチゲも咲いていました。
この花は雨が降ると下を向き、 天気が良いと上を向きます。
下だけではなく、樹木に付いた苔も見てみます。
ネコノメソウ。
雨に濡れるとまたキレイに輝きます。
胞子体を伸ばした姿は何とも愛らしいです。
今回、ガイドのお二人も目を円くしたのがこちら。ブナの枯れ葉に伸びる菌糸です。これが元になってキノコとなるわけです。
冬の雪の下ではこのように生命範囲を拡大させようとしています。
まるでそれぞれが連絡を取っているかのようです。我々の神経回路のようなものでしょうか。この雪解け時期ならではの不思議な光景でした。
小さな崖の陰に群生していたタマゴケ。
この緑の珠は本当に可愛らしいです。
ホコリタケの種類。まるでタコのようです。
コアカミゴケという先端に赤い花のようなものを付けるコケ。
赤い部分は胞子を包んでいるそうです。
こんなふうなコケの世界がたくさん広がっているのがこの奥入瀬渓流。
この画像の中にも、奥入瀬ならではのたくさんの多様性植物が隠れているわけです。
いくら時間があっても足りないし、しかもそれが季節と共に様変わりしていくのですから堪りません。
やたらCOOLな装いのこのコケはジャゴケ。
その名の通り、蛇の皮のような模様が特徴です。
小さなキノコに見えるのは、このジャゴケの胞子体です。
このジャゴケ、ガイドのヤスさんの超お気きに入りです。
私もファンになりました。
カエデ系の樹木に付いたコケ類。
カエデの仲間は、上に伸びようとするとき、脇から出た枝を自らつぶしてしまうらしく、その跡がこのようにぼこぼこの腫れ物のようになります。
小雨がパラつくもアウトドア派は動じません。
至って普通に昼食タイム。
このとき、私は初めてチタンクッカーを空焚きしてしまいましてかなり凹みました。
この状況が楽しすぎて、注意が散漫になったということだと認識しています。
上流はまだ雪がたくさん残っていました。
ブナの根が露わになったところに生した苔。
ここにもキクザキイチゲがありましたが、上流の春はまだ遠いようです。
コケは耐寒性にも優れているようで、上流でも胞子体を伸ばしていました。
自然界って小さなものほど強いですよね。
玉簾の滝。
露わになった地層をまるでスダレのように滝が流れていました。
ちなみにここの水は飲料可能らしく、ダイレクトにゴクゴクいきました。
残念ながらここでカメラのバッテリーが切れてしまい、記録撮影は終了。
でもしっかり14kmを踏破しました。
前半はコケ観察を重点にゆっくりと、後半は私のスケジュール調整のためちょっと急ぎ足。
6〜7時間ほどのトレッキングとなりました。
「奥入瀬の一番の見どころは?」とネイチャーガイドさんに尋ねると、
「4月下旬の芽吹き時期です」とご回答頂きます。
お時間ある方は是非、芽吹きの奥入瀬を体感しに行ってみましょう。
ゆっくり歩いてコケや花、渓流、滝、そして野鳥を楽しんで下さい。
このときはカワガラス、オシドリ、ゴジュウカラなど、実に愛らしい野鳥との出会いがありました。ハンディサイズの8倍の双眼鏡など持っていくとかなりじっくり見れますよ。
ヤスさん、エミナさん、ありがとうございましたm(_ _)m