2015年11月29日日曜日

真のリサイクル店が閉店

こんだけ買っても3,000円未満。
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先日、岩手へちょっと取材に出掛けた際、「閉店セール」の張り紙を見て立ち寄ったリサイクル店。
もうすぐ閉店、全商品20〜50%OFFというこのお店。
大手リサイクルショップのような、体良く売れそうなものを引き取り、それをちょっと磨いて並べているだけ☆…みたいなものではなく、「勿体無い」というリサイクルの原精神がにじみ出ている。
齢80歳ほどと見受けられる店主は、大工道具や機械などをシワシワの手でメンテナンスする。それを娘さん(50〜60歳)が接客&会計でサポートしているという経営スタイル。
さほど広くない店内で1時間以上も吟味している私を気に入ってくれたのか、値段を尋ねる度にどんどんディスカウントされていく。
例①「アスファルトルーフィング」1m巾40m巻
(屋根の野地板に貼る防水シート)
私「これいくらになりますか?」
店主『はい?』(フガフガ…)※耳が遠い
娘『お父さん!こ・れ・は・い・く・ら・?』
店主『! さ、さ、300円!』(クワッ!)※目が輝く
私「え?40mの巻きだよ?!」
店主『さ、さ、300円!』(クワッ!)※やっぱり目が輝く
私「買った!」
(新品定価だと2万円くらいします)
例②「デカい蝶番」3つ
(ドアの開け閉めに必要な可動式の金属パーツ)
私「こんな丈夫な蝶番…2つでいくらですか?」
店主『…?』(フガフガ…)
娘『お父さん!こ・れ・ふ・た・つ・で・い・く・ら・?』
店主『! 300円!』(クワッ!)※目が輝く
娘『でもこれ確か3つセットなんですよ』
私「…2つあれば事足りるんですけど…じゃあ3つでいくらですか?」(イヤイヤ聞いてみる)
娘『お父さん!こ・れ・み・っ・つ・で・い・く・ら・?』
店主『! 300円!』(クワッ!)※やっぱり目が輝く
私「ありがとう!」
セルフビルドで家を建てている私のような輩でなければ、何のパーツなのかもわからない部品や道具も多数。
完成品にしか興味がない消費者にとって、ここにあるものはゴミに見えるだろう。
しかし、私にとっては宝の山だ。これを使ってまた新しいものを作ることができる。
年収40万円男はこれでまたちっこい夢を見れる。作ることは最高の喜びだ。
本当は、もっともっと欲しいものがあったが、予算オーバーだった。(1万2千円の発電機、1万円くらいの正弦波インバーターとか)
そこは自分のお財布事情を憂うというか、笑うしかない。
商品を吟味中、店の娘さんと他のお客さんとの会話が聞こえた。
客「いつまで営業してんの?年内いっぱい?」
娘『うーん、あんまり考えてないけど、年内いっぱいまではやらないと思うよ、12月中旬くらいかな』
なるほど。
年内に余裕をもって閉店させ、そこからキレイに片付け&撤収して、静かに年末年始を過ごそうというのだろう。
帰りがけ、買ったものを車に積み込みながら店主と娘さんと数分だけ他愛もない話をした。
なんだかこの親子が好きになった。
娘『もしよかったらまた来てください』
私「来たいんですが、さすがにもう来れないと思います」
確かに来れないし、次に来た時はおそらくこの店もこの親子もいない。
だけど心の中に「勿体ない」という感情が起こるたび、時空をこえてこの場所にびゅーんと戻って来るだろう。
このご時世、なんだかしょっちゅう通ってしまいそうだが…笑
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このお店の場所を特定しようとネット検索しましたが、なかなか見つけれず、盛岡市のストリートビューでやっと発見。
リサイクルショップとしてgoogleMAPではインデックスされていませんでした。(そういうところもグッときます)
「OK商会」
岩手県盛岡市厨川1丁目1-24
019-643-8725
訪れる際は、お電話してからどうぞ。
(閉店してしまってるかもしれません)

だいたい写っているものが今回購入したもの。
(後ろの車は違います)

アスファルトルーフィング(1m巾40m巻)、TOTOの手洗いのセラミック。
奥の格子状の木工枠は店主が暇なときに手作りしたもの。

キリや極細ノコ、超ミニなノミ、年代もののスクレーパー、砥石(新品)。

煙突掃除に欠かせない金属のブラシ。
大きな蝶番3枚セット。(暗くて見えにくい)

釘やラッチ(錠付きのものも)。
ラッチというのは、ドアがカチャンと閉まるために必要なパーツです。

GoogleMAP、ストリートビューより。
駐車する際は店舗左の砂利道に。